巨大都市の東京に、江戸東京野菜という歴史と伝統のある野菜があるそうですが?

江戸から始まってしかも現代まで、ずっと庶民の食生活を支え、食文化を育んだ野菜、東京という最も人が多く集まっている地域で栽培され続けている固定種の素晴らしい野菜。それが『江戸東京野菜』です。現在、「亀戸大根」「練馬大根」「品川かぶ」「寺島なす」「馬込半白きゅうり」など、土地の名前をつけた約40種類の野菜があります。

江戸東京野菜の最大の魅力は何ですか?

江戸東京野菜は、市場にほとんど出回っていないため希少性が高いなどの特異性もありますがそれ以上に野菜にはさまざまな歴史的ストーリーがあることです。 歴史と伝統を語ることができるというのは江戸東京野菜の大きな強みです。

歴史的ストーリーですか?

たとえば練馬大根とは、江戸幕府の五代将軍・徳川綱吉がまだ地方大名の頃、尾張から大根のタネを取り寄せ練馬の百姓に栽培を命じたとされています。関東ローム層の深い火山灰土等、気候風土に合った大根は1メートルにもなる立派なものです。それぞれの野菜には面白い歴史的ストーリーがあるのです。
現代の野菜に比べると大さにばらつきがあり、曲がっていたりと揃いが悪いのですが、味は個性的で「この野菜を江戸時代の人も食べていたんだ」という驚きがきっとあるでしょう。。

今後この伝統野菜をどう広げていこうとお考えですか?

近年、全国的に伝統野菜を見直す動きが広がっています。我々は約30年前から、江戸東京野菜のタネの保存活動をしてきました。希少植物ともいわれる伝統野菜を通して江戸時代から受け継がれる食文化、『日本の歴史・文化』を残さなくてはいけないという使命感からです。
私としては、生物多様性からも次の世代の人たちに貴重な遺伝資源を引き継ぎ、日本の食文化をしっかり伝える、そして伝統あるものを残すということが重要と考えます。

江戸東京・伝統野菜を取り扱う東京野菜カンパニーをどう見ておられますか?

東京産野菜の地産地消にこだわっている東京野菜カンパニーさんは、集荷効率の悪さを補っても余りある魅力が江戸東京野菜にはある、とのことで、週3回、直接農家に野菜を取りに行き、収穫したての鮮度の良いものをレストランに納品してくださる。これはありがたいことです。
江戸東京野菜にとっては、まさに流通の部分がネックでしたが、東京野菜カンパニーさんのおかげでそれも解決しました。
消費者との接点が出来たのです。これから江戸東京野菜のファンがどんどん増えることを願っています。

江戸東京・伝統野菜研究会

江戸東京・伝統野菜研究会

JA東京中央会で平成元年より江戸東京野菜の復活に取り組み、平成9年に江戸東京農業の説明板50本を都内に設置企画。江戸東京野菜のコンシェルジュを自認。 フードボイス評議員。NPOミュゼダグリ理事。「食と農の応援団」(農文協)団員。 野菜の学校(NPO野菜と文化のフォーラム)顧問。フード・マイレージディレクター。 農政ジャーナリストの会会員。FOOD ACTIONNIPPON 推進パートナー。

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